夫婦カウンセラーの木村泰之です
日頃夫婦について悩む相談者に接していますが、相談の中には自営の会社の
部下との不倫も少なくありません
長年勤めていると、関係がズブズブになっているので、辞めさせたくても
辞めさせられないような状況です
そういう不倫に、最初は苦しみしかなかった方が、カウンセリングを受けて
立ち直って、子供さんと一緒に戦っています
「こんな馬鹿二人に、振り回されていては子供に申し訳ない」
という強い信念を持って戦いました
(相談者には掲載の承諾をいただいています)
先日、ご相談者のKさんからご連絡をいただきました
Kさんは、今年に入って相談に来られましたが、最初
のセッションでは、多くの相談者の方と同様に放心状態
でした
自営の夫の浮気が判明したのも、今年に入ってからで、
自分ではどうしていいのか全くわからないまま、必死
にネットでいろいろと探して私に辿り着かれたのです
いろいろとお話しを聞きますと、会社の部下女性との
深い関係がわかったのがつい先日です
いつからなのかは不明ですが、その女が働き出した
のは、かれこれ7,8年前で、なおかつ数年前にKさん
の自宅近くに引っ越していて、それを年賀状で知って
いました
Kさんも、それまで夫の事を信じていましたので
それほど気には止めませんでしたが、ある日何の気
なしに夫のケータイをお子さんが触っているうち
女とのただならぬ関係のやり取りを見つけたのです
そして、夫に問い詰めるとあっさり白状しました
夫にはもちろん関係を断つ事と、その女をやめるよう
に強く言いますが、夫は関係についてはもう止める
とは言うものの仕事についてはその女が、絶対にいな
ければ困るとよくある拒絶をします
もちろん、それでは意味がありません
そして、どうしていいのかわからずに、私のところ
に来られました
Kさんは、夫の浮気に気付いて謝らせましたが、会社
の部下である女を退社させるのは拒む夫に対して、
怒りや憎しみの中ご相談に来られました
そして、状況を聞くと夫はなるべく事を穏便に済ま
そうと、Kさんをなめている様子がアリアリとわかり
ます
‘夫は、女とは焼肉屋で話をして会社は辞めない
と言っていると私に言います‘
‘そもそも、不倫関係にある2人が、妻への対応
に焼肉屋で適当に話をして、その状況をすぐ妻に
伝えている事自体がなめているのですよ‘
‘考えてみるとそうですよね、私もあまりにも
突然の事で混乱していましたが、言われてみると
本当になめられていますね、だんだん腹が立って
きました‘
という気持ちの変化が出てきます
そして、やはりKさんとしては女を辞めさせたいと
いう気持ちが非常に強くなります
そして、できる事は何かいろいろと考えました
夫が仕事でお世話になっている方にこの不適切な関係
を話して女を辞めさせられないか、とか
女に慰謝料請求ができないか、などKさんにすれば
何もしていない自分が、何でこんな目に遭わなければ
いけないのか、という思いです
もちろん、それはお子さんにも伝わります
親の異変に気がつき、少しずつ表情も暗く言葉も減り
ます
その状況で、夫から別居の提案が出ました
しばらく冷静に考えたい、近くに部屋を借りると言っ
てきました
Kさんはその事を私にどうすればいいか聞きます
‘それは女の入れ知恵で、別居は離婚に近づける
ための大きな一歩と思っているのですよ‘
‘そうですよね、夫が何かお互いのためとか言って
いますが、結局は女と相談しているのですよね‘
改めて、女の執念を感じ取ったKさんは、しばらく
OKもいわずに様子を見る事にしました
Kさんは、自分の中で女になめられている事を再認識
して、夫や女に何ができるかを考えます
しかし、そう言いながらも今まで信じてきた夫が、
この期に及んでも女を辞めさせないという怒りや、
悲しみに感情が乱高下します
そして、お子さんにも弱い母親を見せてしまう事も
しばしば出ます
そして、あまりにも夫の顔を見ると感情が乱れるので
Kさんは自ら
‘しばらく出て行って‘
と言いました
もちろん、別居は女を喜ばす事にもなります
しかし、それ以上に夫と接していると、本当に自分
の気持ちをコントロールできない方が苦しい状態に
なったのです
そして、夫を追い出し、子供2人の3人でしばらく
過ごす事にしました
そうなると、今度は逆に子供好きの夫が寂しさから、
連絡を取ってくるようになります
しかし、Kさんとしてはあまり会わせたくないという
感情から怒りが出ます
そして、やはり仕事関係の人にもこの2人の状況を伝
える事にしました
もちろん、それが効果があるかはわかりません
私と、その話の意味をシミュレーションをした上で、
女を辞めさせたいと言う自分の気持ちを伝えます
もちろん、言われた方も心情理解はしてくれますが、
立場的に女を辞めさせる事はできません
しかし、Kさんは自分ができる事をやろうというつも
りですから、話す事に意味があります
そして、そのうち話をした事が夫にも伝わり、今度は
夫が電話で
‘何でそんな事を話すんだ、関係ないだろう‘
という怒りを出します
しかし、Kさんも言い分があります
‘こんな事をしたのはあなたでしょう、しかも女
を辞めさせるわけでもないのに‘
そう言われると夫も何も言えずに黙るだけです
そして、またしばらく膠着状態が続きます
その中でも、夫と女の接触がどうなっているかKさん
も頭の隅に引っかかっています
Kさんは、夫が別居して苦しいはずという想像もあり
ますが、一方で女との関係がどうなっている
のかも気になります
そして、お子さんには接触させたくない気持ちも募り
ます
しかし、その状態では苦しい状態は続くので、お子さん
と日帰り旅行を提案して
様子を窺い、夫が教えないアパートを旅行帰りに別れ
た後に調査する事にしました
そして、夫もお子さんと過ごせる事に喜び一日終わり、
アパートも突き止める事ができました
Kさんが思っている場所とは、全然違う場所でした
そして、場所がわかったのですが、やはりその後に夫
が何かいいパパをお子さんに見せる素振りを出すのに
腹も立ち、夫にはやはりお子さんには接触させたく
ない気持ちできつく当たります
そして、それを一番敏感に感じるのはお子さんです
Kさんに反応して、しまいには学校に行くのを拒否し
だしました
それをまたKさんは悩み始めて連絡が来ます
‘お子さんにとってママが一番の拠り所ですよ、
ここで焦りや憎しみを出すと、お子さんはもう
どうしようもなくなります‘
‘それはわかっていますが、もう混乱してしまい
子供にも弱いところを出してしまいます‘
‘お子さんは、Kさんが頑張っているところを
見て、頑張れるのです‘
‘実は、子供にママは強くなると約束したのに
何で泣くの、と言われてしまいました‘
‘そうですよ、お子さんは父親ではなくKさんに
約束を守ってくれなかったとショックを受けて
いるはずです、お子さんにはKさんの言葉で左右
されるのです‘
‘そうですよね、子供は私が約束を守れなかった
事が大きいんですよね、すっかり抜けていました
もう一度頑張ります‘
と、お子さんのために、弱いままの自分はやめようと
決意します
そして、一週間ほど過ぎて、Kさんも落ち着くとお子
さんもまた学校に行き始めます
やはり、Kさんの事をしっかりと見ています
Kさんは、再度冷静さを取り戻すとお子さんもそれに
呼応して、学校に行き始めます
そして、しばらくの後、夫とのこう着状態を打破する
ために、知らない事になっているアパートに乗り込む
事にしました
多少は、アドレナリンが出ていたのも確かですが、
もちろん冷静です
そして、部屋に行って夫と話をしました
もちろん、夫はいきなりKさんが来て驚きます
しかし、夫も結局は女を辞めさせる意思はなくただ、
Kさんがいろいろとかき回すから、会社がおかしくなっ
た、子供にも会えないのもKさんが止めているから、
などとかなりの被害妄想ぶりです
しかし、Kさんもそれならそれでもう自分の好きに動く
事を再認識しました
そして、夫といえば寂しさのあまり、子供さんにも泣き
のメールを入れてくる始末です
しかし、強くなったKさんを見ているお子さんは父親に、
‘別に会わなくてもいい、自分が大きくなった
時に私が会いたくなれば会ってあげてもいい‘
と返します
これには相当夫もショックを受けます
そして、今度は泣き言をKさんに吐きます
お子さんがそのように父親を必要としない姿にKさん
も大きな後押しをしてもらっている自分を感じます
そして、つい先日まで学校に行きたがらなかったお子さん
が、今ではKさんにとっては大きく立派に見えます
夫がこんな事を起こさなければ感じなかったかも知れま
せん
しかし、お子さんからもらうばかりではいけないと、K
さんも状況を打開する行動に出ます
Kさんは、お子さんにも大きな勇気をもらって次は女に
直接会う事にしました
もちろん、夫には言わないで突撃しました
以前のKさんであれば、何を言うか自分でもわからない
まま、行っていたはずです
しかし、今は違います
お子さんがしっかりと自分の背中を見てくれていると
思えば、かなり冷静になっています
そして、女の家に行くと女は出てきて
‘弁護士を通してください‘
の一点張りです
女は少し前に、弁護士を通してKさんに連絡をして来て
いました
しかも、それはあくまでも自分が退社にされないため
に用意した弁護士です
その女の態度にKさんはさらに闘争心が出ます
そして、しっかりと女にはこれでは終わらせるつもり
はない、という事を伝えて自らも弁護士に聞いて、
慰謝料請求ならびに、退社までもって行く作戦を立て
る事にしました
もちろん夫は女にも責められ、Kさんとお子さんにも
相手にしてもらえず、情けなくも泣きの電話を入れて
きます
しかし、そんな夫を尻目にKさんは自分を強くする
ために、いろいろと動きます
相談者の交流も日々行い、夫婦カウンセラー塾の申込
もされてさらに、自分の視野を広げようとされています
弁護士のアドバイスも受けて、次の行動を考えて毎日
時間が足りないくらいです
その姿に、お子さんがある夜に
‘ママ、頑張ってね‘
と一言Kさんに伝えました
何をとも言わずに、ただその一言です
もちろん、Kさんにはその言葉だけで十分です
自分が納得を追っている姿を、お子さんがしっかりと
応援してくれています
そして、さらに女に対決を考えているKさんです
その後の状況は、また掲載します
目次
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